萩真薯
今月の昼の献立に萩真薯を入れています。ちょっと先取りですが、秋らしく風情のある真薯なので、大抵毎年作っています。
私がつくる真薯の中で唯一作る前から切り方を考えておかなければならないのが萩真薯です。
他の真薯なら仕上げて蒸しあがった段階で、大きさを盛り込む器や真薯そのものの厚さなどにより変えることが出来るのですが、萩真薯の場合は中に入れる具が表に出て、しかも1人前のなかにそれぞれ1個ずつ入るように置いていかねばなりません。
と言うのも萩真薯に入れる具材にそれぞれ意味があるからなのです。
まず、何より重要なのは小豆。これが萩の花をあらわしています。ですから小豆の入った料理名に萩がつくことがたくさんあります。
そして銀杏が萩の葉っぱ。次に木耳が萩の枝です。
つまり適当にちりばめて、葉っぱ(銀杏)だけのところとか逆に、花(小豆)ばかりのところが出来たのでは意味がないのです。
端から順番に仮想の枠を作っていき、そのなかに丁寧に具で列と行を作っていきます。
最初修行中にこの真薯を見たとき
「きれいだな」
と感動したものです。真中の赤いのは海老です。これは何より美味しくするための具。
この真薯を作ると秋だなと感じますね。
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