つづき
昨日は申し訳ありませんでした。
さっそく続きです。
締め出された妻は冷静さを保ちつつ、ガラス越しの息子に
何とかこの窓を開けさせねばならないと、頭を悩ませました。
言葉の意味もあまりわからず、鍵の開け閉めもままならない。
現に自分が今締め出した鍵を指差し
「これ、開けて」
と大きな声で言っても、逆に一生懸命しめようとしています。
それを見て妻は愕然とします。(だめかも・・・)
と、突然息子が別の部屋へと移動して行きます。
「子供に見捨てられた・・・」
「このまま凍死!」
こんな思いであったのでしょうか?
仕方なく別の部屋へ移る息子を追いかけ、ベランダ越しに移動すると、
やはりそこでも我が子は嬉しそうに笑っているだけ。
「はるか、開けなさい」
大声で怒鳴ったところで、分かるわけもありません。
しかし、そこで妻は重要なことに気付きました。
その部屋は鍵があまりしっかりと閉められてなかったのです。
無用心も何かの役にたつものだと・・・
しかし、外から開くほどゆるくはありません。
言葉のわからない我が子をうまく操り、開けるとするなら、この部屋の鍵しかないと確信して、身振り手振りで、窓の鍵の開け方を教えます。
間違ってきつくしめられたのでは、たまったものではありません。
妻の手振りにそって、はるかが鍵に手をかけました。
「上じゃなくて、下よ」
必死の形相が目に浮かびます。
そして、できのいい我が子は、やっとのことでそのゆるい鍵を下に開けることができたのです。
妻は洗濯物と共にこごえる悲劇を味合わずにすみました。
すぐさま愚痴を言うために、旦那の職場に電話。
その話を聞いた私は
「ごめん、忙しいから切るよ。ガチャン!」
と冷たくあしらったのでありました。
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