はなうど
八百屋さんがあまり馴染みのない葉っぱを持ってきました。
「これ“はなうど”なんですけど、味をみてください」
というのです。ところがその葉っぱ私は“花うど”かと思って開けて見てみるのに、どこにも花はついていないのです。
「これは“葉っぱうど”やでな?」
と板前たちと話していると、父が
「端という意味のハナじゃないか?」
というのです。確かに「出ばな」とか「しょっぱな」なんていいますから、そのハナなのかな?
そんなことより味をみてみることにして、とりあえず生で口にしてみると、目ん玉が飛び出るくらい苦い。
これはいかんとお浸しにすることにして、湯がいて、漬け地に漬け込んでみました。
数時間後、口にしてビックリ!
先ほどあれだけ苦かったのが、意外や意外、苦味が香りと旨味に変わって春らしいではないですか!
父とも話して
「これ、使うか?」
となり、さっそく八百屋に
「うまかったよ」
と電話でいうと
「え?美味しいんですか?どうやって食べるんですか?」
と来る!
そうなんです。うちの八百屋さん、食べたことないものは持ってくるわ、食べ方聞いたら知らないわで、とんでもない奴なんです。
とりあえず、変わった物があったらうちに持ってきて
「サンプルです」
といって置いて行くのです。うちも「何かない?」
というのが口癖になっているから、悪いのかもしれませんが。
今回みたいに成功例ばかりじゃないのです。
煮ても焼いてみ食えないものもあれば、全然味のないものも持ってきます。到底和食には不向きなものすらあります。
今回は初めてのものをうちに持って来てみて、おいしいという話を聞くと、また取り寄せて、他の店にもって行っては
「お浸しにして食べてみてください。美味しいですよ」
なんて売っているに違いないのです。
これが、なかなかしたたか者で、利巧と言うべきでしょうか・・・
うちとしては変わったもので、美味しいものが手にはいって良かったのですが・・・
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