最後の一撃
干物用の鯛が入荷しました。
普段なら素手で(もちろん素手でうろこかきを持ってということ)うろこをかいていくのですが、今日はまとまった数の入荷だったので、
手に傷をつけては料理に差し障りますから万全を期し、軍手をはめて作業していました。
いつもと変わらぬ、単純な作業で、数匹すんだところで、手の親指の付け根あたりに「チクっ」とした痛みを感じました。
よおく見てみると、鯛の背びれのケンの長いところが折れて、手に甲に軍手越しに刺さっています。
「痛みの原因はこれか」
と何気なくそれを払いのけようとすると、
あっさりとはのかず、しかも痛みを感じます。
「あれ、これは深いのか?」
軍手越しではどれほど刺さっているのか見えません。
仕方ありませんから思い切って抜いてみると、すぐに抜けたのですが、抜いたあたりの軍手が真っ白だったのが、日の丸になりました。
「・・・・」
ブルーになっていく自分を押さえながら、軍手を取り、傷口を確認します。
どうやら鋭角に刺さったようで、刺さった場所からななめに約1センチほど入ったところが、紫色に内出血して、さらにその周り一帯が腫れ始めています。
魚の身体で手を怪我すると、化膿する確立が非常に高いのです。
それだけ処理する前の魚の体表は汚れていて、雑菌が多いと言うことなのでしょう。
父に見せると、やはり化膿するからということで、傷口から血を揉み出してくれました。
しかしこれが痛い!
容赦ないもんですから、目ん玉が飛び出そうです。
すぐに消毒をして、化膿止めを塗りましたが、どうなることか!
昼頃までは力が入りにくかったのが、今は痺れがなくなったので、たいした事はないのではと思っていますが、やっぱり痛いのは嫌ですね・・・
しかし〆られた鯛はもっと痛いか!鯛にとっての最後の一撃が、私にとっての致命傷にならなくてよかった・・・
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