すね肉
料理人をしていながら、すね肉なんて肉がどんなものか全く知りませんでした。
2週間くらい前だったか忘れましたが、日曜の朝、ゴルフに行く前に時間があったので、テレビを見ていました。
何年も前からある番組で、私が京都にいるときもやはり日曜の早朝に放送していました。
そして日曜日も出勤していたので、その番組を楽しみに見ていたのを思い出しました。
この番組は様々な疑問を科学的に分析していく内容で、非常にくだらない検証から
「おお、そんなことになってたのか!」
というくらい驚き、感動するものまで、いろんな内容が網羅されています。
その数週間前に見たものは「シチューを作るのに、牛肉のどの部位を使うと美味しくできるのか?」というテーマでした。
私はそれを見ながら
「どこでも技術があり、美味しく作れば美味しいんだろ?」
なんてたかをくくっていました。
ところがこのときの内容は
「へへ~、そうなの?」
のほうでした。
上等のヒレ肉や、サーロインで煮込みを作っても美味しくないのだそうです。
なぜ?
それはさしの入った部分の脂がスープのほうに抜けてしまい、肉が縮み、パサパサの赤身だけが残ってしまうからだそうです。
では、どの部分が美味しいのか?
答えはすね肉だそうです。
聞いたことはありましたが、どんな特徴の肉で、どんな形をしているのか全く知りません。
番組で言っていたのでは、すじが非常に多く、脂が少ない部分だそうです。
そんなところが美味しいの?
と非常に疑問でしたが、こう科学が立証していました。
いい部分の肉は焚くと脂が抜けて小さく縮んでしまうのに対して、すね肉のような筋の多い部分では、逆にすじが膨らんで、柔らかくなり、食感もよく、味もしみやすいのだとか。
これにはなるほどと感動いたしました。
で、さっそく今日、作ってみました。
肉屋さんに素人っぽく
「すね肉ってどんなもの?」
とか、いろいろ聞いて、1キロだけもらい、野菜とともに煮込み始めました。
焚くこと3時間、番組で言っていた通り、筋が柔らかくなり、大きくなってきました。しかも肉の部分はとろけるようにほどけて、なるほど他の部位とは特徴が違います。
トマトなどを加え、まぜるうちに、柔らかくなりすぎて、くずれて、100%の出来とはいえませんでしたが、それなりに美味しいものができました。
実験データが捏造でなくよかったと安心いたしました。
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