究極のかき揚げ
お客様が
「巧さん、食べたことのないようなかき揚げを食べさせてや」
とおっしゃいます。
「かき揚げですか?」
と尋ねながら(さて、食べたことないようなとはいかなるものか・・・)
と考えをめぐらせながら受け答えしておりました。
さらにお客様は
「それをかき揚げ丼にしてくれない?」
来ました!そりゃ無理だ!
なんとも上品さのない丼物をいかにも一流の料理と見せなければならない
一種の難題です。
渋々で、自信なく
「分かりました。やってみましょう」
と引き受けてしまいました。
牛肉のかき揚げなんて出来ないだろうなとか、筍のかき揚げなんてどうだろうな?でも丼にするには物足りないだろうな・・・
といろんな案が浮かんでは、即ボツになります。
ようやく、考えついたのは、変わったものではなく、高価なもので、食べたことのないものにしようという究極な考え。
高いけどいいかな?なんて心配に思いながらやったかき揚げは
“アワビと車海老のかき揚げ丼”
これは食べたことないでしょう。普通の人は・・・
てなことで、アワビを水槽から引き上げぶつ切りに・・・
「これだけで原価3000円・・・」
なんて思うと手が震えます。
さらに車海老も頭をのけてぶつ切りに。
「原価1500円・・・」
と思うと
「この海老手術したらまた生き返るかな?(かえりません)」
などとくだらないことをいいながら料理を進めていきます。
そして油場に
「絶対失敗するなよ!もう出来んぞ!」
といい聞かせ、無事出来上がりました。
「何と贅沢な・・・」
泡を吹きそうな小心な自分がいました。
しかし、これだけのものを使って、まずい訳は無いとわかっていても、
感想が気になるもんです。
するとお客さんが席から出てこられ
「今まで食べたことなく、最高に美味いかき揚げだった!」
とお褒めの言葉をかけてくれました。
いや、うれしかったですね。しかし驚いたことに、そのお客さん
「今度はもっとたくさんアワビと海老を入れてやってみようかね♪」
卒倒しそうになりました・・・
昨日アワビを死ぬほど食べたよ♪
それもタダで(幸)!!!!
いいだろ~。 詳しくはブログ
を見てください・・・ってまだ
アップしてないけど。
投稿: Minnie | 2007年4月11日 (水) 13時19分
>Minnie さん
なんだって!
そんな不公平なことがあっていいものか?
アワビ食べて死になさい・・・
投稿: takumi | 2007年4月11日 (水) 14時04分