岩がき
親友の居酒屋を経営している同級生から
「岩がきは何で夏食べてもかまわないの?」
とメールが来ました。
確かにかきは冬場に食べるもの。
英語のことわざでは
「かきはRの付く月に食べなさい(9月~2.3月)」
と言われているくらい。
夏のカキフライなんてないですもんね。
ところがお題の岩がき、決まって夏場に出回ります。
その友人も馴染みの魚屋さんが岩がきを持ってきて
「使ってや」
と言うもんだからということでの質問でした。
今までもヘンだなと思ったこともありましたが、
実際に食べる機会も少なく、店で使うことはさらに少ないので深く考えたこともありませんでした。
友人が1番考えているのは、冬場にしか食べてはいけないのは、貝毒等の中毒の原因となるものが無く、逆に夏には食べると中毒になってしまうんじゃないかという事が心配のようでした。
さっそく調査を引き受け、ネットで検索。
ところが、意外と何にも引っかからないのです。
このネット全盛の時代において、インターネットで調べがつかないものなど皆無と思っていた私には少々ショックでした。
知らず知らずのうちにネット信望者に陥ってしまっていたと言うことでしょう。
ネットがダメで、さあ困った!
次にひらめいたのは保健所に聞いてみる事でした。
意外と詳しい人がいるんじゃないかと思い、電話帳で調べて電話してみました。
最初に出た案内係の人に、名を名乗り、カキについて詳しい人をお願いしますと伝えると
「少々お待ちください」
と丁寧に対応してくれました。何とかなるかと期待が膨らんだその時
「はいお電話代わりました」
と出たのが、女性の声。
丁寧に私が
「カキは夏場食べたらいけないって言うじゃないですか?」
とまず切り出すと
「いいえ、聞いたこと無いですが?」
と拍子抜け。こいつ全然カキの事なんかに詳しく無いじゃん!
素人を電話に出した保健所にも非常に腹が立ち、こいつを何とかやっつけてやると
「じゃあ、あなたはカキフライ夏場食べますか?英語で“R"の付く月にカキは食べろってって言うでしょ?」
とありったけの質問をたたみかけると
「いいえ、聞いたこと無いです!」
とのらりくらり。あまりにも腹が立ち、喉のここまで
「おたく、なんていう名前?本当に食品衛生を担当する職員?」
と言おうかと、本当に行ってやろうかと思った瞬間
「少々お待ちください」
と電話を保留に。そして出てきた方は、行け行けの中堅どころといったところ。
「お電話代わりました」
と言う言葉1つからも
「負けヘンで!」
見たいな勢いを感じます。
「そうこなくっちゃ」
とばかりに
「森脇と申しますが、街中で料理屋を経営しております。少々質問があるのですが?」
と拍子抜けするように挨拶をすると
「私、生活衛生課○○と申します」
と御返し。
色々お話をうかがい、私はあまり詳しくありませんがと謙遜する割には、さっきの全く出来の悪いおねえさんとは違い、
私の質問にしっかり回答、反論してくださり、まさに打てば響くと言った感じ。
話によると、Rの月に・・・と言うのはその月が美味しい、つまり旬であると言うことわざで、食べてはいけないと言う意味ではないということ。
さらに、冬食べる養殖されているカキはマガキという種類で、岩がきとは違うそうです。
岩がきはマガキとは違い、夏場に旬を迎えます。
さらに中毒となる物質は夏に多く、冬少ないと言うことも全く無く、いつでも発生する時は発生するし、あたる時はあたると言うことだそうです。
また、“当たる”と言う言葉もヘンなことで、中毒になることも当たる。アレルギーに触ることも当たるというが、この二つは全く別物で、アレルギーならいつ食べても量さえ食べれば当たりますし、ノロウイルスに代表されるように、主に冬場に中毒をもたらすウイルスもいるわけですから、夏冬は全く関係ないのだそうです。
種類によって、いつが旬かと言う話であって、マガキとは言え夏食べてもOKです。ただ美味しくないですが・・・
と言う内容でした。
非常に納得のいく、分かりやすい回答でした。
とはいえ、夏場は暑いので、生鮮食品が鮮度が落ちるのが早いので、そういう意味では気を付けてくださいとのこと。
いい勉強になりました。
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