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2007年6月21日 (木)

鱧の笛

魚の部分の名前で面白いものを聞いたことがありますか?

たとえばよく知られているのが“鯛のタイ”

これは鯛のカマ(むなびれの付け根)あたりにある骨で、関節になっていて、カマのみをきれいにとって、手ではずすと

目と尻尾がはっきりとついた、あたかも魚に見える骨が現われます。

これは鯛だけに限らず、他の魚にもあります。

子供のときは父が

「これ見てみい!ブリのブリぞ」

見たいな感じによく取ってくれました。子供ながらに「ブリの鯛じゃないのかな?」なんて思ったこともありました。

それを財布に入れておくとお金がたまるなんていう言い伝えもあり、

財布に入れようときれいにして取っておくのですが、

知らない間になくしてしまい、未だ財布に入れたことはありません。

よって、お金が貯まった事が無いということなんです、はい。

あと、“鯛の牛”なんてのもあるんです。

鯛の尻尾の付け根に、これまた牛の角の付いた頭の形をした骨があるのです。

これも何となくユーモラスな感じで、かわいらしい骨です。

魚だけでなく肉類もいろんな呼び名(俗称)がありますよね。

牛の内臓なんていろんな名前がありすぎて、覚えきれません。せんまい、はちのす、みの、まめなどなど挙げると切りがありません。

肉の部位の名前もたくさんありますよね!

で、タイトルの“鱧のふえ”ですが、

鱧の内臓に真っ白で細長く、腹と同じ長さにのびたものがあります。

それにそうように他の内臓もついているのですが、

これは浮き袋なのです。これを調節してもぐったり浮かんだりしているようです。

どうも主成分はゼラチンのようで、全く味はありません。

湯がいて冷やすと歯ごたえだけが残る面白い部分なのです。

もちろん脂分もありません。

当店ではこれを湯がいて細かく刻み、出汁の中で焚き、生姜を入れてゼリーにしています。

ふえのゼラチン成分だけを使って固めているので、その他の寒天やゼラチンなど、凝固する成分は加えていません。

これがなかなかの食感で、見た目、涼感もあり人気です。

もちろん美味しくてたまらないものではありませんが、

1つの料理として受け継いでいます。

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