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2007年8月 9日 (木)

天ぷらの不思議

八百屋さんが小麦粉を持ってきました。

「すいません、これ小麦粉のサンプルなんですが、よかったら使ってみてもらえませんか?地元の粉で、地元の製粉所の物なんですが・・・」

地元の粉・・・ 痛いところを突いてきます。

「で、値段は?」

と聞くと、

「いつものにあわせます」

と言います。不思議に思うかもしれませんが、うちは小麦粉は八百屋さんから仕入れています。パン粉もこんにゃくも八百屋さんです。

どちらかといえば乾物屋がこの手の食材を扱っているところが多いのですが、

当店出入りの八百屋は

「(青果)市場には魚と薬と女以外なら何でも売ってますから!」

といってはばかりません。

要は何でも注文してくれと売り込んでいるのです。

ところがこの小麦粉、よく見てみると中力粉です。油場担当が

「これは中力粉ですからつかえませんよ!」

と八百屋に文句。

「そうですか?そこを何とか」

八百屋さんは料理のことは何も知りませんから、薄力粉だろうが中力粉だろうが関係ありません。

買ってくれるかくれないかだけが問題です。

調理場のみんなが集まり

「でも、この中力粉、用途の欄にはケーキ、天ぷら、うどんって書いてあるよ」

といっています。

そうです。薄力粉にも天ぷら。中力粉にも天ぷらとかいてあるのは以前から知っていました。でも何気なく昔から薄力粉を使っていました。

油場に

「でんぷんの量がちごたら、何が変わるんや?」

と私が聞くと

「粘りが出て、衣がべた付くんやと思いますが・・・」

と言います。

「それは衣を混ぜんかったらどうなるんや?」

と聞くと、答えが返ってきません。

油場的にはでんぷんの少ないさらっとした衣でカラッと揚げたいようなのです。

でもでんぷんは衣を固く仕上げる効果があるのは周知の事実。

「ほな揚げくらべてみ!」

ということで、急遽かぼちゃを使い中力粉と薄力粉の天ぷら対決。

両方をいっぺんに揚げ、揚げた本人以外はどちらがどうか知りません。

調理場みんなで試食します。

油場は衣の濃いさ、揚げ加減は全く同じにやったと言い張ります。

で食べ比べ。

両方ともきれいに揚がっているのはさすがですが、私は一口ずつ食べたら、どちらが中力粉でどちらが薄力粉かすぐにわかりました。

もっとも違うのは、やはり衣の食感でした。

でもみんなの意見では中力粉の食感のほうが評価が高かったように思います。

「かりっとしておいしい」「さくさく感がある」

というのが好感のポイントでした。

薄力粉を推す油場は何となく納得いかない様子でした!

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