2年程前妻に
「あなたは全く貯金しないんだから、これに貯金でもしなさい。何かの役に立つ時が来るから」
と言って、プラスチックでできた貯金箱を手渡されました。
彼女が言うように私は、貯金など考えたことのないタイプで、
「お金が無い時は、無いんだから仕方がない!と思わないかんだろ。」
ってなもんで、入ってきた分はそのままきっちり使い切るものだと思い込んでおりました。
それを見かねて、妻が買ってきた貯金箱は「500円硬貨で一杯にすると、10万円」
になるというもの。
かなり昔に流行り、私も買って貯金していましたが、
一杯にならないのがつまらなくて、10円とか100円など他の硬貨も入れ始め、挙句の果てには小遣いが無くなって開ける始末。
そんな苦い経験を思い出させるものでした。
最初
「こんなものはすぐに、入れなくなるのよね♪」
なんて馬鹿にしていましたが、少しづつ入れ始めると、たまるのがうれしくなって、いつしかジュースを買うのも1000円札で買ってお釣りをもらい、
買い物をしても786円なら1300円出すなどして、やはり500円を貪欲に作ろうとする自分がうまれました。
途中、興味が無くなり、たまったお金の使い道も無かったせいもあり、遠のいていた時期もありましたが、それでも何とか一杯にすることができました。
一杯になったのは3ヶ月ほど前。何に使うでもないので、ほったらかしておりました。
ところが、前々から気になっていたバイクの部品の修理を思いつき、先週乗ったついでに修理に出しました。
せっかくだからこの機会に貯金箱でも潰そうかと妻と話、夜な夜なお金の計算をすることに。
“しょーぼい”我々夫婦はこの程度の金額で、いつに無く盛り上がり、
「キャ~、キャ~」
言いながら貯金箱を割りました。
10万円といっていて、少なかったらがっかりするから、気持ちの中の設定は8万は入っているだろうということに。
2人で10枚ずつ500円硬貨を並べていきます。
そのかたまりが10個、15個と増えていくたびにさらに盛り上がって行きます。
中には悠が入れたと思われる1円玉も5枚ほど。(ご愛嬌)
結局できたかたまりは24個。
何と12万円。しかもピッタリ過不足なし。
思ったよりもたくさん入っていたので、さらにうれしくなりました。
しかし普段とは違う気持ちが自分の中にあることに気付きました。
一見あぶく銭のように思えますが、これまで2年以上に渡り、それなりに努力もしました。
普段なら、「ぱ~と行くか!」となりそうなものですが、
不思議なことにそんな気になれないのです。
「これがお金に貪欲だということなのだろうか」
と嫌な気がして、複雑な感じです。
とにかく、500円玉を転がしておくわけにもいけないので、さっさと銀行に持っていきました。
とりあえず支払いはできます。
そしてしっかり者の妻はもう第2号目の「10万円たまる貯金箱」を買ってきています。
今度は貯金ブックといって、500円玉を挟んでいくタイプ。
残念ながら目標金額のずれはありません。
最近のコメント