鴨丸
タイトルを見て
「かもまる」
と読んだ人。ありがとうございます。あなたは料理には無知かもしれませんが、素直な方です。
「かもがん」
と読みます。料理用語で丸めたものを単純に「がん」と呼ぶことがあります。
間違ってはいけないのが
「がんもどき」
のがん。これは「丸」のがんではなく、「雁」のがんです。
うらごした豆腐にいろんなものを入れて、雁の味に似せたことから、こう呼ばれるようになった精進料理です。
話は本題に進みます。
今日、鴨丸を作りました。
明日、私がお茶を習うお社中の初釜があり、その料理を担当することになっております。
毎回、お社中の方々が、なるべく口にしたことのないようなものをと思い、献立を立てております。
ところが何回か重ねていくと、さすがに似かよった献立になり、いろいろ難しいことが出てきます。
料理を前にして
「前回と同じだね」
なんて言葉が聞こえようものなら、やはり一日ブルーですし、
「ああ、これこれ、食べて事あるよ」
ってな言葉もなるべく聞きたくないのです。
そして今回、煮物椀に椀ダネに選んだのが、鴨丸。
かものミンチをすり身とあわせて焚いた物です。
かもの丸ですが、今までにも焚き合せには良く使いました。山芋などをたくさん入れて、やわらかい食感にして、甘がらく焚いて、
えび芋などと合せています。
ところがこれもマンネリ化しているので、肉気のものが吸い物に入ると少し意外かなとのことから、やってみました。
吸物と合うようにすり身をたくさん入れて、ほどほどの食感を出すために、葛を溶いたものも加え、二番だしで焚いていきます。
初めてすることに恐る恐る味見で口に運んでみて驚き。
「うまい!!!」
まずいものを作るつもりはもちろんありませんでしたが、思うより美味しくでき、うれしくて調理場のみんなにも少しずつ味見をさせました。
みんなの評判も良く
「これなら肉気のものでも、一番出しに合いますね」
との事。さて、お社中の人たちはどんな反応を示してくれるのか?
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