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2008年5月17日 (土)

弘法筆を選ばず・・・

名人は何を持っても名人ということの例えですが、

誰もが疑問を持つ言葉なのではないでしょうか?

仮に同じ条件下で物事を競った場合は、問題ない言葉かと思います。

しかし片やこれまた名人が作った筆。片やどこのものか分からない使い古し。

これで同じ字が書けるはずもありません。

とくだらない事を書いていますが、要するに私が今言い訳をしているわけです。

決して私は名人ではありませんが、とは言えこの道ではプロ。

大きな失敗はあってはならないこと。それも素人張りのミスは・・・

今日も結構お客さんが入り、営業時間の途中で鱧が足りなくなりました。

水槽から若い子が引き上げ、おろす準備をしているところに、急な用事が入り、包丁も魚も放りっぱなしで、場所を離れてしまいました。

ちょうどそこへ私が。

目の前には包丁と鱧。

私はそのとき丁度暇で、お客さんとお話でもしようかなといった状態の時。

(鱧でもさばいとくか)

何気なく彼の置いていった包丁を手に鱧をさばいていきます。

「スル、スル」

と普段どおりおろし、何の問題も無く開けたかと思った瞬間、

魚に目をやると

「あれ、これなんじゃ!」

驚きましたが後の祭り。皮一枚残して開かないといけないはずが、大方皮まで切れてしまっているではないですか!

「ありゃりゃ!!!、これは困った」

とぼやいた所で、戻りません。

そこへ彼がやってきて

「ああ、ありがとうございます」

と鱧を私がさばいている事に対してお礼を言います。

「いやあ、実は穴を開けてしまってね、大変なんだよ。これ、君がやった事にして、大将に謝っておいてよ」

と言うと、冷たい彼は

「決して見なかったことにしますので、失礼します」

と言って裏に引っ込んでしまいました。

冗談だったのに、逃げ足の速い事!

仕方なく父に

「穴開いたけど、使える?」

と聞くと

「何とかします」

と言ってくれます。

何の問題も無くおろしたつもりなのに、切り過ぎた感触も無いのに、違うことと言えば包丁が違うことくらい。

「やっぱり、他人の包丁はだめだな」

とまあ、何気なく包丁を持った事を反省しました。

やっぱり他人のものだから、違うかもしれないということを少しでも頭に入れて、魚に向かうべきでした・・・

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