すばらしき若者たち!
我々の世界に「回し物」という言葉があります。
間違っても「回し者」といってはいけませんよ。
回し物とは、連続した仕込みのときに、自分を含めて複数の人がその材料に携わる仕事のことを言います。
たとえば枝豆でもいいです。
少し大きな板場(調理場の組織)になると、枝豆の枝から房を取る人と湯がく人が違います。
この時点で枝豆は回し物です。
さらに湯がいた枝豆の房から豆を取り出す作業があるとします。
そうなると、湯がいた人にとっても、さらに枝豆は回し物。
後に仕事をする人がいる仕事のことなのです。
回し物という仕事が、実は仕込みの中では非常に重要で、
この仕事が遅れると、段取りが非常に悪くなり、組織としての仕事がうまく機能しなくなります。
逆に回し物がスムーズに回ると、いくらでも仕事のスピードを上げることができるわけなのです。
調理場での段取りをつけるということは、いかに回し物をうまくこなすかだと言っても、過言ではないと思います。
今朝、私が出勤してみると、私が仕事をするであろう場所には、すでに回された材料で一杯でした。
私が特別遅れてきたというわけではなく、普通通り出勤したわけですが、すでにそんな状態でした。
これはすごいな!と感動しつつ「何時から仕事しよんや!」と若干心配にもなりました。
しかし今時の若い子にこうして自分の決まった仕事を時間内、むしろそれ以上の早い時間内にこなしてしまう真面目さに、
私は感動いたしました。ちょっと調理場の人が減り、厳しいときなので、がんばっているのだろうとは思います。
ニートや引きこもりと若者たちを悪く言う人もいますが、やる子はしっかりやりますし、可能性は十分秘めています。
ですからもっともっと伸ばしてあげれる環境を作ってあげれるのが、我々の仕事かとおもいますが、これが一番難しいのです。
とにかくその辺を心に留めて、仕事をしていければと思います。
また、あんまりがんばらせ過ぎないのも、必要かとも・・・
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