あこう
あこう 本名:きじはたと呼ばれるこの魚は、瀬戸内の初夏から秋にかけてが旬の名の通りはた科の魚です。
身は白身で、非常にキメの細かな脂があり、皮はゼラチンですこぶるおいしい魚です。
以前は幻の魚と呼ばれ、特に大きなものは磯の奥深くに住むため、捕ることができず、めったにお目にかかれなかった魚でした。
今では磯場の形などが、魚群探知機で分かるようになったためか、すこしは釣れるようになって来ました。
とはいえ数少ない釣れた大物は、料理屋の奪い合いです。
先日、今治という松山から1時間くらい離れた海沿いの町の料理屋さんが、
チラッと見えるうちの水槽を覗き
「大きなあこうが居るね。今治に無いと思ったら、ここにきよったんか!」
今治はここら辺ではあこうの最大漁場。むしろ、今治でしか捕れないといっても過言ではないくらいなのです。
それが今治では探してもいないのに、食事に来た松山の料理屋に大量にいたことがよほどショックなようでした。
うちも「いらない」と言えばよそに流れるので、ある限りは買い尽くすくらいのつもりで買っています。
都合の良いことにあこうは根魚(磯で生活する魚)なのであまり動かず、比較的長い期間生簀でかうことができるのです。
ですからある意味買占めも可能なのです。
この魚のひとつ厄介なのは、うろこが非常にきついので、少々お湯をかけたくらいでは、取り除くことができません。
かと言ってしっかり湯がき過ぎると、みすみす美味しい成分を流してしまうことになります。
ぎりぎりうろこが取れるところを見極めるのがポイントになるのです。
それでも取り残しがあったりして、美味しく食べるには、ちとばかり手間のかかる厄介者なのです。
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