興味深々
きよみずで働き始めて2ヶ月。
いろんなことに興味がある、フランス人ニールスにとって調理場は不思議なことばかり。
しかし言葉が苦手なので、それを知るすべがないのです。
寿司桶を洗剤をつけて洗っていて、注意されますが、なぜ洗剤で洗ったらいけないのか、分かっていないはず。
毎日、ひろうすに使う豆腐を裏ごしているのですが、どのような食べ物なのかやっぱり知りません。
こういうところがかわいそうなところです。
しかし里芋を剥いている人がいて、持ち場からその人が離れると、黙ってそこに来て芋を剥いていたりします。
これが日本人の新入りなら
「こら、何してるんや!できもせんのに」
と怒られるはずですが、外人は役得。笑って済まされています。
昨日、面白い出来事がありました。
母がフグのヒレを焼いていました。もちろんヒレ酒用の物です。
通りすがりにニールスがこのヒレをさっとかすめとり、そのまま口に運びました。
これも日本人なら出来ない所業。
しかし、うれしそうに
「チップスのようでおいしいで~す」
と言いました。
それを見て、みんなが大笑い。食べるものじゃないのを美味しいと言って食べたことが壷にはまったようです。
「食べるものじゃないのよ。これはねお酒、お酒に入れるのよ。分かる?」
不思議そうにしているフランス人に、母が酒を沸かしてヒレ酒をご馳走していました。
「これはおいしいです」
片言の日本語ですが、とてもうれしそうでした。
前までは
「ご飯を食べている場所を片付けてきて」
と仕事を言いつけると
「はい」
と言いながら、ご飯を平然と食べていることもありましたが、
そうした言葉のミスはなくなってきました。
不思議となじんできています。
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