梶の葉
本名は「梶の木」というそうなので、梶の木の葉が正確なのかもしれません。
私が京都で修行しているときに聞いた話では、七夕に床の間に短歌を書いて、飾るのに使う葉っぱだと教えられていました。
他にも昔は紙の原料として植えられていたので、それに由来して、紙替りにという話でしたが、教えている本人もどうやらはっきりとは分かっていなかったようです。
そういう言い伝えがあるので、7月には敷き葉として梶の葉を料理に使うのですが、なかなかどこにでもあるものではありません。
しかも写真のようにきれいにギザギザが入っているものは珍しく、見つけれるものではありません。
私の京都時代には大谷廟という浄土真宗の大墓地に続く道をかき分けたところに、梶の木が数本あり、そこを教えられて、毎年少し拝借に行っていました。
しかし京都だけあって、周りは料亭ひしめく激戦区。
7月に入る前に採取に行き、10日後に行ってみると、丸裸になっていることもざらでした。
すると帰って怒られるんです。
「もっと、はよ取りに行かへんからや」
(そんな事言われても、私が最初に取りに行った何日後に相手が来たかも分からんのに、理不尽なことを)
とすねていましたが・・・
そんな梶の葉っぱも、今では叔母のお寺の敷地内に見つかり、松山へ届けて届けてくれるようになり、楽チンになりました。
葉っぱも前年にちゃんと剪定していると、きれいに切れ込みが入るということまで突き止めてくれました。
他の料理屋さんが来られて
「この葉っぱはどこにあるんですか?」
なんて本気で聞かれますが、事情をお話しすると、あきらめられます。
あと、ゴルフに行く道に1本、大きな梶の木が生えているのを5年ほど前に見つけました。
その木は本当に立派で、虫食いも無く、いつか何かの機会に取ってもいいなと思いながら、通り過ぎています。
大谷廟の梶の木、まだ、元気なのかな?
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