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2009年9月 5日 (土)

野菜コース

京都で仕事をしているときは、旅館ということと、土地柄もあり、外国人のお客さんが結構おみえになっていました。

そのため偏食があります。

鶏肉がダメ。牛肉がダメ。生ものがダメ。

宗教的なものも含めて、頭を悩ますものでした。

しかしここら辺の制限はまだまだかわいいもの。

一番厄介なのが

「ベジタリアンなので、精進でお願いします」

とフロントが言ってくるもの。

フロントも宿泊の事前申込書に「精進」と書いてあるのを元に仕事をしているだけなので、理由等は知るはずもありません。

ところが調理場はできるだけ厄介な仕事をしたくないわけですから

「食べれないのですか?」

「宗教上ですか?」

「魚の加熱したものもダメなのですか?貝は?」

「カツオ出汁はどうですか」

と畳み掛けるように、攻め立てます。

最初のうちはフロントも

「どうだろうね?はっきりとは」

などと、のらりくらりやっていますが、終いにはお互い腹が立って

「自分で聞いてきたらよろしいやろ。私は書いてることを言ってるだけなのよ」

みたいになることがしばしばでした。

言ってはいけないかもしれませんが、作るほうとしたら

「よそに泊まってくれや・・・」

と思います。しかしやらないといけません。予約ですから。

結局、いつも肉、魚抜きで献立を立てていましたが、

カツオの出しは必ず使っていました。ここのところが他の出汁にすると、本当に厄介になるのです。味そのものの本質が変わるくらい違ってくるわけです。

しかし後々

「宗教的なもので、死ぬまで自分は動物は食べたことなかったなんて思い込んでいたらどうしよう!」

なんて思うこともしばしばでした。

うちでもたまに

「野菜中心のコース」

と注文される方がいらっしゃいます。嫌いなわけではなく、身体にいいからという理由のようで、お刺身は食べられます。

それなりに季節の野菜を使ってコースをお出しすると、すごく喜んでくれて、こんな料理のうけもいいもんなんだなと

改めて考え方を変えさせられることもあります。

実際、世間的には野菜がかなり外食の世界に入り込んできています。

果たしてこの流れはこれからも続いていくものだろうか?

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