えぼだい
関東出身のお客様で、最近松山に引越ししてこられた方がいらっしゃいます。
食べるものには非常に興味があるらしく
「これは何ですか?」
「どうやって料理してるんですか?」
と結構ご質問されます。
うちとしては聞いていただけるのは美味しく、関心を持って食事をしていただいていると言うことで、有難く思いながらお答えしています。
お昼の懐石の焼き物で
「あまぎの幽庵焼き」
というのをしておりますが、この「あまぎ」という魚が分からない。とおっしゃるのです。
京都では「うおぜ」と呼んでいましたが、これでも分からない。
徳島や香川では「ぼうぜ」と呼ぶそうですが、これもダメ。
何せ関東の出身なんですから、無理もありません。
という私は実は本当の名前を知っているはずなのですが、どうにも出てきません。
(なんだったけ?)
心の中で非常に焦りますが、ダメです。結局分からないまましばらく考えておりました。
小さい魚ですが、3枚におろして、小骨も抜いて、タレに漬け込んで焼いていますから、見た目も全く分からなくなっています。
お客さんも知っている魚のようだけど、分からないようです。
しばらくして、やっとのことで!そうです、思い出しました。
「えぼだいですよ、えぼだい」
というと、お客さん
「それなら分かります。えぼだいにしては美味しすぎます。これじゃ分からないですね」
と言ってくれました。地元でも丸のまま煮付けたりしますが、全く骨が多くて、面倒な魚です。
こうして料理するとガラッと印象が変わるものなのです。
お昼のお料理はそういうところも目指しています。
それにしても思い出せてよかったです!
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