新しい味
先日、私のワインの先生と言うべき酒屋さんにお伺いして、並べられたワインを前に、いろいろワイン談議に花を咲かせていました。
「死ぬまでに一度は飲んでみたい」
というようなワインもたくさんあり、そんなワインを眺めながら、この産地はどうだとか、この作り手はどうだとかいう話は何事にも替え難い、至福の時でもあります。
これにワインを飲みながらという条件が付けば、さらに良いのですが、少し離れた場所なので、車で行かないといけないので、それは無理なのです。
そんな話をしている中で
「森脇さんのお店は完全に和食ですか?」
と聞かれるので
「そのつもりですが、ちょっとアレンジしていることもあります」
とお答えしました。
「オリーブオイルは使わないですか?」
ということなので、滅多に使わない事を伝えると、こんなことを教えてくれました。
造り醤油にオリーブオイルをたらして食べると、和食のテイストを残しながらも、ワインに非常に合わせやすくなる。
さらに、鮮度の悪いもの、脂の乗りが今一なものもおいしくいただける。
ということなのです。
実際、お店で出せるかどうかは別として、考えたこともなかった食べ方だけに
(やってみようか・・・)
という気になりました。
そして翌日、鯛の昆布占めの前にオリーブオイルを数滴いれた醤油を用意して、調理場のみんなで食べてみました。
みんな口をそろえて
「有りやな!」(おいしい)
と言うじゃないですか。
私も普通においしく感じましたし、白ワインには合わせやすいだろうとも感じました。
こんな食べ方があるんだと驚いた次第であります。
以前、京都の懐石屋で鯛でクリームチーズを巻いてお造りに出してきた店があり、非常に驚きましたが、これもまた、非常においしかったと記憶しております。
我々が考え付かないような食べ方がまだまだたくさんあるのかもしれません。
あるソムリエの本には、醤油にワインを入れて刺身を食べるという食べ方が書かれていました。
これは微妙な味わいでしたが、考える人は考えるものです。
お店で出さないにしても、引き出しとして置いておくには損はなさそうです!
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