そんなことがあるんですね
あるときお昼のお客様が帰られようとしていました。
駐車場まで歩くのが大変な歳なので、待っていますと言って、運転される方だけが車を取りに行きました。
しばらくして、どこからともなく
「車が来たよ」
という声が。お連れのお客様3人くらいがぞろぞろと店を出て行きました。
私と父と母も一緒にお見送りの為に出て行きました。
しかし止まっている車は明らかに商用車のワゴン車。
(いったい、こんな車でいらっしゃるなんて)
と不思議に思っておりますと、お客様のおひとりが
「あれ、うちの車じゃない!」
と仰ります。
「ほんとよ、ちがうやん」
口々に言っております。母が父に
「あなた、何を言ってるの。違うじゃないの」
母は父が
「車が来たよ」
と言ったと思い込んでいます。それもそのはず、3人みんなが
「うちの車じゃない」
と口々に言っているのですから。
父は
「いやいや、ワシじゃないって」
と小さな声で弁解しております。
本当に間違ったのは父ではなくお客さんのようでした。そして乗り込もうとドアを開けた車は、うちに鰹節を運んできた乾物屋さんの車でした。
1人のお客さんが
「うちのボルボじゃないね」
と仰るから
(ああ、ボルボなんだ)
と思っておりました。
バツ悪そうに立ち去る乾物屋さんの後から、店の前に同じ色のワゴン車が入って来て、みんなが乗り込み
「ごちそうさま」
と言って、帰って行かれました。
もっとも乗り込んだ車はアウディーだったのですが・・・
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