自虐ネタ
一体どれくらいの料理人が自分の思うように包丁を研ぐことができるのでしょう。
実は私、今までの料理人経験のうちで、包丁が思うように研げたことがありません。
何年も使い込み、研ぎこんでいくうちに、どうしても元の形をとどめなくなってくるのです。
もちろん、研ぐわけですから、いつもまでも同じ形のわけはありません。
言いたいのは同じ形を縦横厚み同率で縮小できているかということなのです。
私の場合、1年もたてばかなり変形してしまいます。
それで不都合があるわけでもないのですが、大体包丁も10年ほど使うと柄が使い物にならなくなり、取り代えないといけない時期が来ます。
そんな時にメーカーである包丁屋さんに出すと決まって
「個性的な形ですね」
と嫌味を言われ、さらに
「研ぎ直しておきましょうか?」
と言われちゃうわけです。
お願いしますと素直に言える場合と、これ以上小さくなって元の使い方ができない時には
「さっとだけやって、あまり小さくならないように・・・」
というと、向こうはプロなので、逆にさみしそうなのです。
彼らには理想の形があります。
元は鍛冶ですから、形を作り上げるのが仕事です。その理想が崩れていることが気に入らないのでしょうから、思い切って直します。
本当に気持ち良く
「いいように直してください」
なんて言おうものなら、刺身包丁がぺティーナイフになりそうな勢いなのです。
今回私の包丁と、父の包丁とを2本修理に出しました。
それが本日無事帰還。
きれいな形になった私の包丁は3回りほど痩せてしまいました。父の物はなるべく大きさを保ってと頼んだのですが、やはり見る影もないくらい小さく・・・
でも切れ味はかなり戻りました。そういう意味ではプロです。
いつもその時々で彼らに包丁の研ぎ方を聞きますが、こればかりは一向に上手くなりません。
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