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2012年8月30日 (木)

困~る一言。

お客様には、とっても器に興味を持たれている方がいらっしゃいます。

それ自体は非常に有難いことです。

器も含めて、盛り付けてお料理というのが、日本料理だからです。もっとも日本料理だけに限らずだとは思います。

そして、その手のお客様が次に聞きたがることが

「これは何焼ですか?」

と聞かれます。

実はこれ、とっても困る質問なのです。とくに何気なく聞かれてるお客様はなおさら。

たとえば、とっても有名な「清水焼」というのを例に取ってみると、清水焼である条件というものが非常に限られていると私は考えます。

まず、陶器ではなく、磁器であること。

五条坂近辺で焼成されているということ。

でも、実際にはそんな街中には陶芸家はあんまりいません。

もっと田舎。もしくは市外に住んでいる場合がほとんどです。

昔と同じではないのです。

たとえば、同じ形、同じ図柄の物を有田で作ることも可能なのです。

そういうことになると、見た目は清水焼。でも作ったのは九州の人で、有田で焼いたから有田焼。

これで人は納得するでしょうか?

清水焼を京都で勉強して、京都府以外の町で窯を起こしたら、全く○○焼という呼び方でいくと、名無しになります。

なんやら窯という名前はもちろんつけれますよ。

備前焼と同じ粘土、同じ窯で器を焼くと全国どこでも同じように焼けます。

しかしこれは、その土地の名前を付けた焼き物にしてもいいか、それとも備前焼としないといけないのか?

ちゃんとした決まりがないわけです。

中国で日本全国の焼き物を一斉に作ることも可能じゃないかと思います。

物のいい悪いは別です。それはやっぱり中国焼きなのでしょうか?

それとも清水焼?

とってもナンセンスな話です。

本当のことを言っていいのかな?

料理屋で使っている器なんて、とびっきりの物を除いては、一体だれが作ったかなんて、正直分らないんです。

もちろん、有名な作家さんの物ばかりを集めて、使っているお店は別です。

本当にひょっとしたら、外国から来ているのを知らずに買ってしまっていることだってあるかも知れないんです。

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